
過誤申立と再請求の流れ、あわてず順番に整理してみる
提出して確定したはずの請求に、あとからミスが見つかる。単位の取り違え、サービス回数の入力違い、加算の付け忘れ——気づいた瞬間、心臓がきゅっとなりますよね。「もう確定しているのに、どうやって直すの」と頭が真っ白になる、その気持ち、よくわかります。
でも、確定済みの請求を直す手立てはちゃんと用意されています。それが「過誤申立」と「再請求」です。慣れないと言葉だけで身構えてしまいますが、やることは順番に分けられます。今日は、あわてず確認できる流れを一緒に整理していきましょう。
結論:確定済みの請求を直したいときは、「①どこがどう違うのかをはっきりさせる」→「②保険者へ過誤の申立をする」→「③過誤が成立して取り下げられたら、正しい内容で再請求する」という順番で進みます。過誤の種類(通常過誤・同月過誤)や申立の様式・期限は保険者や国保連で運用が異なるため、最終的な手続きは必ず保険者・国保連の案内で確認してください。
そもそも過誤申立とは
過誤申立は、ひとことで言うと「一度確定した請求(給付費)を取り下げてもらう手続き」です。国保連で審査・確定されたあとの請求は、事業所側だけでは直せません。そこで、保険者(市区町村)へ「この請求に誤りがあったので取り下げてください」と申し立てる。これが過誤申立です。
取り下げが成立すると、その分の請求はいったんなかったことになります。そのうえで、正しい内容にした請求をあらためて出す。これが再請求です。つまり、「取り下げ(過誤)」と「出し直し(再請求)」はセットで考えると流れがつかみやすくなります。
流れを小さく分けて見る

一度に全部やろうとすると、かえって混乱します。次のように区切ると進めやすいです。
- まず、どの利用者の・どの月の・どこが違うのかをはっきりさせる
- 正しい内容(本来の単位数・回数・加算)を手元で確定させる
- 保険者へ過誤申立の方法と必要書類、提出期限を確認する
- 過誤申立書(保険者の様式)を作成して提出する
- 過誤が成立し、対象の請求が取り下げられたことを確認する
- 正しい内容で再請求のデータを作り、提出月に合わせて出す
ポイントは、「正しい姿」を先に固めておくことです。取り下げてから「あれ、結局いくらが正解だっけ」となると、再請求でまたつまずきます。先に正解を決めておくと、あとの作業が静かに進みます。
通常過誤と同月過誤のちがい
過誤には大きく2つのやり方があります。ここは迷いやすい所なので、ざっくりだけ押さえておきましょう。
- 通常過誤:取り下げ(過誤決定)が反映された翌月以降に、あらためて再請求する方法。取り下げと再請求の月がずれます。
- 同月過誤:取り下げと再請求を同じ月に処理する方法。いったん返戻される額と再請求する額を同じ月で相殺できるため、入金への影響を抑えやすいことがあります。
どちらを使えるか、申立の締め切りはいつか、様式は何かは、保険者ごとに運用が異なります。金額が大きい場合や入金への影響が心配な場合は、早めに保険者へ「同月過誤は使えますか」と相談しておくと安心です。ここで断定はしません。お住まいの地域の保険者・国保連の案内を必ず確認してください。
あわてず進めるためのコツ
過誤・再請求は、焦って一気に進めるほどミスが重なりやすい作業です。次のことを意識すると、落ち着いて進められます。
- 取り下げの確認をしてから再請求する:取り下げが成立する前に再請求すると、二重請求のように扱われてしまうことがあります
- 対象の月と件数をメモに残す:複数件あるときは、一覧にして「申立済み/取り下げ確認済み/再請求済み」を一件ずつチェック
- 介護ソフトの過誤・再請求の操作を確認する:取り下げや再請求のデータ作成は、お使いのソフトで手順が決まっています
- 入金予定への影響を上長と共有する:金額が大きいと入金月がずれることがあるため、先に一声かけておくと後がスムーズです
確認チェックリスト
- どの利用者・どの月・どこが誤りかをはっきりさせたか
- 正しい単位数・回数・加算(本来の姿)を手元で確定したか
- 保険者へ過誤申立の方法・様式・提出期限を確認したか
- 通常過誤か同月過誤か、どちらで進めるか決めたか
- 過誤申立書を作成し、提出したか
- 対象の請求が取り下げられたことを確認したか
- 正しい内容で再請求のデータを作り、提出したか
- 複数件あるときは一件ずつ進捗を記録したか
次に向けて
過誤・再請求は、誰でも一度はぶつかる手続きです。ミスが見つかったこと自体を責める必要はありません。むしろ、気づいて直そうとしている時点で、請求の精度はちゃんと守られています。
同じ所で繰り返さないために、提出前のチェックを少し厚くしておくのもおすすめです。月次の見直しは月次ミス防止チェックリストに、返戻・保留が来たときの落ち着いた見方は返戻が来たときの記事にまとめています。請求まわりの全体像をつかみたいときは、あわせてどうぞ。

確定済みの請求を直すのは、最初はとても緊張する作業です。でも、取り下げて、正しく出し直す。その順番さえ押さえておけば、次に同じことが起きても落ち着いて向き合えます。あわてなくて大丈夫。一件ずつ進めていきましょう。
制度と現場をつなぐ仕事があるから、介護の現場は止まらずに動いています。